ブランドサイト制作を依頼する前に|目的・商品情報・既存サイトとの役割分担の決め方
ブランドサイト制作の依頼前に、目的と対象者、商品情報、既存の企業サイト・ECサイトとの役割分担を整理するためのガイドです。新設の必要性、公開後の更新担当、制作会社と共有したい事項を確認できます。

ブランドサイト制作を依頼する前に、まず決めたいのは「誰に、何を理解してもらい、次に何をしてほしいか」です。その目的に合わせて商品情報を整理し、既存の企業サイトやECサイトとの役割分担、公開後の更新担当を考えると、依頼する範囲が具体的になります。
最初から独立したサイトをつくると決める必要はありません。既存の商品ページに説明を加えたり、サイト内の情報を組み直したりすることで、目的を果たせる場合もあります。
この記事では、新しいブランドサイトが必要かを判断し、手元の資料と未定の事項を整理して、制作会社と話し合える状態にするための進め方を紹介します。
誰に、何を伝え、次に何をしてもらうかを決める
「ブランドイメージを高めたい」という希望を、訪問者に伝える内容まで具体化しましょう。次の問いに答えると、サイトに必要な説明と行動の入口を考えやすくなります。
- 誰に見てほしいか。商品を初めて知る人か、購入を比較検討している人か、取り扱いを検討する事業者か。
- どんな場面で見てもらうか。店頭で商品を見た後か、用途に合う商品を探しているときか。
- 何を理解してほしいか。使い方、商品の違い、素材や製法の特徴など、判断に必要な内容は何か。
- 理解した後、何をしてほしいか。購入ページへ進む、取扱店を探す、取り扱いについて問い合わせるなど、次の行動は何か。
たとえば、購入前の比較を助けることが目的なら、商品の違いや使用条件を説明し、購入できるページにつなぐ構成が考えられます。一方、販売店からの取り扱い相談を受けたいなら、商品群の特徴や取引を検討するための情報と、担当窓口への案内が中心になります。
目的が違えば、必要な情報も変わります。すべてを一度に担わせず、今回もっとも重視する相手と行動を決めておきましょう。
中小機構のJ-Net21「会社のホームページをつくるメリットは何ですか?」でも、開設前に誰に何を伝えるのかを整理し、サイトの役割を明確にすることが示されています。
まずは「購入を検討する人に、用途に合う商品の違いを伝え、既存のECサイトで選んでもらう」のように、目的を短い文章にまとめてください。掲載内容に迷ったときの判断基準になります。
企業サイト・ブランドサイト・ECサイトの役割を分ける
目的が見えたら、既存のサイトでどこまで対応できるかを確認します。企業サイト、ブランドサイト、ECサイトは、主に扱う情報と役割から整理できます。
| サイトの役割 | 主に扱う情報 | 今回の整理で確認すること |
|---|---|---|
| 企業サイト | 会社概要、事業内容など、運営する企業についての情報 | ブランドの運営元や事業について、既存ページで説明できているか |
| ブランドサイト | 特定のブランドや商品・サービスの特徴、価値、利用場面 | 対象者が商品を理解し、選ぶための説明がそろっているか |
| ECサイト | オンライン販売に必要な商品情報や購入手続き | 紹介した商品を購入できるページへ案内できるか |
基本的な分類は、Web検定「Chapter 7 Webマーケティング」補足教材の7-01「Webサイトの主なパターン」(PDF第2・4ページ)を参考にしています。表の確認事項は、制作範囲を整理するための提案です。
これらの役割は重なっていても構いません。ブランドの説明とオンライン販売を一つのサイトで担うこともでき、三つの役割があるからといって、三つのサイトを別々につくる必要はありません。
新設するか、既存のページを整えるか
まず、今回の目的に必要な説明が既存サイトにあるかを見てください。情報はあるものの見つけにくいなら、ページ構成や案内の見直しが候補になります。商品説明が足りないなら、既存ページへの追加や、ブランド専用のページ群を設ける方法が考えられます。
ブランドサイトの設置場所には、独立したドメイン、サブドメイン、既存サイト内のサブディレクトリという選択肢があります。独立ドメインを前提にせず、どの情報をどこで伝えるかを決めてから、設置方法を検討しましょう。
ブランド紹介を読んだ後の行き先も確認が必要です。購入なら該当商品の販売ページ、取扱店を探すなら店舗案内、相談なら実際に受け付けている窓口へつなぎます。既存サイトに役割を任せる場合も、訪問者が目的の手続きを行える場所まで案内してください。
商品情報を「選ぶために必要な説明」に整理する
商品カタログや写真がそろっていても、それだけで訪問者に必要な説明がそろうとは限りません。手元の資料を、次の問いに沿って読み直してみましょう。
- 誰に向いているか:どんな用途や条件を持つ人に適しているか。
- どの場面で使うか:使用する場所、タイミング、使い方はどうか。
- 何を解決するか:どんな必要性に応え、どの特徴が役立つのか。
- 何を根拠に説明できるか:仕様、使用条件、写真、説明書、公開可能な試験資料などがあるか。
- どう購入・相談するか:購入方法や取扱店、相談先を案内できるか。
J-Net21の「第3ステップ:商品コンセプトを構築する」では、対象者、満たすニーズや便益、その実現方法を軸に商品コンセプトを整理し、使用場面や特徴も説明に含めています。この考え方をサイトの素材整理に応用すると、商品の特徴と訪問者が知りたいことを結び付けやすくなります。
たとえば、屋外で使う道具を紹介するという仮のケースなら、外観写真だけでなく、どのような環境で使用できるのか、使用時にどんな条件があるのかも検討材料になります。必要な資料は商品によって異なるため、一律に同じ項目をそろえる必要はありません。
集めた資料は「そのまま使えるもの」「説明や素材が足りないもの」「公開してよいか確認が必要なもの」に分けておくと、依頼時に話を進めやすくなります。写真や資料がある場合も、掲載できる権利や公開範囲を確認しておきましょう。
ブランドの背景や開発への思いは、商品価値を理解してもらうための説明になります。そのうえで、対象者が自分に合う商品か判断できる仕様、使い方、条件も伝える構成にしてください。
公開後に誰が、どの情報を更新するかを決める
制作範囲を考えるときは、公開後の更新も含めておきましょう。商品仕様、価格、販売状況などが複数のサイトに載る場合は、変更時にどこを確認し、誰が更新するかを決める必要があります。
たとえば、価格はECサイトで案内し、ブランドサイトでは商品の特徴を中心に説明するという分担が考えられます。両方に価格を掲載するなら、価格変更を把握する担当と、それぞれのページを更新する担当を明確にしておきます。
情報ごとに、次の点を確認してください。
- 正式な仕様や最新の販売状況は、どの資料・ページを基準にするか。
- 変更内容を確認するのは誰で、掲載作業を行うのは誰か。
- 購入先、取扱店、問い合わせ先が変わったとき、誰が案内を直すか。
情報の基準と担当を決めても、サイト間で自動的に反映されるわけではありません。まずは実際に行う更新作業を整理し、必要な対応方法を制作時に相談しましょう。
先に紹介したJ-Net21の企業サイト開設に関する解説でも、継続的な運用費用や公開後の情報更新を考慮する必要性が示されています。自社で更新する部分と外部へ依頼する部分、継続してかかる費用は、制作内容と併せて確認しておくと、公開後の担当業務を具体化できます。
決まったことと未定のことをまとめ、制作範囲を相談する
ここまでの内容を、制作会社と共有する簡単な説明にまとめましょう。ブランドサイト制作の相談前に、すべてのページや原稿を完成させる必要はありません。決まったことと、判断を手伝ってほしいことが分かれば、相談する論点を絞れます。
共有する内容は、次の項目が目安になります。
- 目的と対象者:誰に、何を理解してもらい、次に何をしてほしいか。
- 重点商品・サービス:今回、特に説明したいものは何か。
- 手元の素材:使える資料や写真、足りない内容、公開確認が必要なものは何か。
- 既存サイト:企業サイトやECサイトで、すでに担っている役割は何か。
- 追加・変更したい内容:新しく必要な説明と、既存のまま使いたい内容は何か。
- 公開後の担当:誰が内容を確認し、誰が更新する予定か。
- 予算と希望日:予算上の制約や、公開を希望する時期があるか。
「ブランドを紹介する場所は欲しいが、独立したサイトにするかは未定」「商品の資料はあるが、どこまで掲載すべきか相談したい」といった状態も、そのまま伝えて構いません。未定の事項を明らかにすると、今回制作する部分と、既存サイトを活用する部分を分けて検討できます。
Kizashiでは、情報整理、ページデザイン、Webサイトの新規制作・リニューアルに対応しています。整理した目的や商品資料、既存サイトとの分担をもとに、何をどの順序で伝えるかをページ内容に落とし込み、追加・変更する範囲を検討する際の相談先になります。
制作を依頼する範囲を考えたい方は、商品情報の整理からサイト制作・リニューアルまでの対応範囲を確認するページをご覧ください。まずはサービス内容を確認し、自社で進められる部分と、整理や制作を依頼したい部分を考えてみてください。
ブランドサイトの形は、伝える相手と目的によって変わります。先にサイトの役割を定め、必要な説明と更新体制を整理することが、制作範囲を決める出発点になります。





