弁護士事務所のホームページ制作を依頼する前に|取扱分野・相談受付・更新体制の整理
弁護士事務所がホームページ制作を依頼する前に整理したい取扱分野、相談受付、公開後の更新体制を解説。事務所と制作会社の役割を分け、決まったことと未定事項を共有するためのメモを紹介します。

弁護士事務所のホームページ制作を依頼する前に、まず整理したいのは「実際に受け付ける取扱分野」「相談が届いた後の対応」「公開後の情報確認と更新分担」です。この三つが分かると、掲載する内容だけでなく、相談窓口の案内や運営に必要な仕組みも制作会社と話し合いやすくなります。
最初から正式な要件書を完成させる必要はありません。事務所で決めたことと、制作会社に相談したいことを分けておけば、未定の項目があっても打ち合わせを始められます。ここでは、準備する情報と役割の決め方を、最後の共有用メモにまとめられる形で説明します。
1. 取扱分野と、公開できる事務所情報を整理する
実際に受け付ける相談の範囲を言葉にする
まず、優先して紹介したい取扱分野を挙げ、それぞれについて次の内容を整理します。
- どのような相談に対応しているか
- 現在は受け付けていない事項があるか
- 対応地域や来所・オンラインなどの相談方法に条件があるか
- 相談料と、依頼後に発生する費用をどのように案内するか
分野名だけでは、相談者が自分の状況を当てはめにくいこともあります。一般的な相談場面を添える場合は、事務所が実際に対応できる範囲を弁護士が確認したうえで説明しましょう。料金についても、本所の相談料や受任後の費用、条件によって変わる部分を整理し、どこまで公開するかを決めます。
ホームページ制作では、弁護士が確認したこうした情報をもとに、制作会社とページの分け方や説明の順序を検討します。法律上の判断や専門的な表現を確認する担当弁護士も、この段階で決めておくと原稿確認を進めやすくなります。
名称・氏名・所属弁護士会などの基本情報をそろえる
事務所名、所在地、連絡先、弁護士の氏名、所属弁護士会など、掲載のもとになる情報を用意します。表示すべき内容は、広告の主体に応じて確認が必要です。
東京弁護士会の説明では、弁護士個人の業務広告には氏名と所属弁護士会、弁護士法人には法人名称、関係する事務所名称、所属弁護士会を表示するとされています。また、法人ではない法律事務所の広告では、責任者一名の氏名を表示する旨が示されています。事務所の形態に合わせ、現行の規則や所属会の要求と照らして担当弁護士が確認してください。東京弁護士会の表示に関する説明
相談場面の説明と、実際の解決事例を分ける
業務内容を伝えるための仮定の相談場面と、実際に取り扱った案件は、原稿の素材を集める段階から分けておきましょう。
東京弁護士会は、実際に扱っていない模擬・架空の事例を「解決事例」「成功事例」として表示することに注意を促しています。実際の過去案件であっても、公開には守秘義務などの確認が必要です。東京弁護士会の事例表示に関する説明
一般的な相談場面を掲載するなら、仮定の例であることが分かる表現にします。実際の案件を使う場合は、公開できる内容と表現を事務所で確認してから制作会社へ渡しましょう。
2. 相談窓口は、送信後の対応まで決める
電話・フォームごとに受信から返信までを確認する
相談窓口を設ける際は、入口を選ぶだけでなく、届いた連絡を誰がどう扱うかまで決めます。電話とフォームを使うなら、それぞれについて用途、受信担当、確認する時間帯、最初に返信する担当、不在時の代わりの担当を整理してください。
特に、フォームが「相談予約の申込み」なのか、「オンラインで法律相談を受け付けるもの」なのかは明確にしておきたい点です。予約申込みであれば、送信後に日程調整の連絡をするのかなど、実際の流れに合わせて案内します。
また、フォームをいつでも送信できることと、弁護士がいつでも即時に回答できることは別です。受付時間と返信の案内は、事務所で実行できる運用に合わせて書きましょう。担当者が不在の間も誰が確認するかを決めておくと、制作会社にも必要な受信設定を伝えやすくなります。
入力項目と利用目的の説明を一緒に考える
フォーム制作前には、氏名や連絡先、相談概要など、何を入力してもらう必要があるかを確認します。そのうえで、集める情報を実際に何に使うのか、利用目的をどこで説明するかを決めます。
個人情報保護委員会の「通則編」3-3-4では、本人が入力画面などを通じて個人情報を提供する場合、原則として事前に利用目的を明示する必要があるとされています。また、送信前に利用目的へ注意を向けられる配置などが示されています。制作会社とは、入力画面内の説明や説明ページへのリンクなど、送信前に確認できる方法を相談しましょう。個人情報保護委員会「通則編」3-3-4(2026年6月一部改正)
制作・運用会社が相談データに触れる範囲を確認する
制作や保守の過程で外部の担当者が相談データにアクセスするなら、その扱いも打ち合わせの対象です。誰がどの情報を閲覧できるか、保管・削除をどう扱うか、再委託があるか、事故が起きた際の連絡先はどこかを確認します。
「通則編」3-4-4は、個人データの取扱いを委託する場合、委託先への必要かつ適切な監督を求めています。これは実際に個人データの取扱いを委託する場合の話です。自所のフォームや保守作業でどこまで外部が関与するかを確かめ、それに応じて取扱いを取り決めましょう。個人情報保護委員会「通則編」3-4-4
3. 公開後の内容確認と技術保守を分けて決める
情報を出す人・確認する人・更新する人を決める
公開後の更新は、次の役割に分けると担当を整理しやすくなります。
- 情報を出す人:営業時間や所属者、取扱分野、費用などの変更を把握し、更新内容を伝える
- 内容を確認する人:掲載内容の正確さや法律上の表現を確認する
- サイトを操作する人:確認済みの原稿を反映し、掲載結果を確かめる
小規模な事務所では同じ人が兼ねても構いません。大切なのは、変更を知った人から掲載を担当する人へ、情報が渡るようにしておくことです。
営業時間や人員、取扱分野、費用が変わったときは、該当ページの確認につなげます。法律の解説記事については、担当弁護士が修正の要否を判断する流れを決めましょう。
保守契約に含まれる作業を具体的に聞く
システムの保守と、掲載内容の確認は、それぞれ範囲を取り決めます。制作会社には、システムの更新、バックアップ、障害時の連絡、アカウント管理、契約終了時の引継ぎについて確認してください。誰が作業するかだけでなく、依頼方法や対応範囲も聞いておくと、運営時の判断に使えます。
保守サービスを契約していても、それだけで法律解説の確認や広告表現の審査まで含まれるとは限りません。事務所が内容を確認して制作会社へ反映を依頼するのか、事務所内で更新するのかを決め、法律内容の確認責任と技術的な作業範囲をそれぞれ明確にしましょう。
4. 決まったことと未定のことを、制作会社に共有する
弁護士事務所がホームページ制作を依頼する際は、ここまでの内容を短いメモにまとめれば、最初の打ち合わせに使えます。文章を整え切るよりも、本所の実際の状況と、相談して決めたい部分が分かることを優先してください。
制作会社に共有するメモ
| 項目 | 事務所で整理する内容 | 制作会社と確認すること |
|---|---|---|
| 取扱分野 | 優先して紹介する業務、受付範囲、地域・相談方法の条件、費用案内 | ページの分け方、説明の順序、掲載に必要な素材 |
| 相談窓口と受信担当 | 電話・フォームの用途、受信する担当者、確認する時間帯 | 窓口の配置、入力項目、受信先、利用目的の表示方法 |
| 返信の運用 | 最初に返信する人、不在時の担当、送信後の実際の流れ | 受付・返信について画面でどう案内するか |
| 原稿の確認担当 | 事務所情報や法律内容を確認する担当弁護士 | 原稿確認の進め方、修正の受渡し方法 |
| 更新の操作担当 | 事務所で操作するか、外部へ依頼するか | 操作方法、依頼手順、保守範囲、契約終了時の引継ぎ |
| 未定事項 | まだ判断できていないこと、選択に迷っていること | 選択肢と、それぞれに必要な作業 |
事務所は、受任範囲や費用、受付運用などの事実を提供し、公開する内容を確認します。制作会社には、その情報をページやフォームにどう反映するか、公開後にどのように更新するかを説明してもらいます。この分担をもとに話すと、見た目の希望に加えて、日々の相談受付や運営まで含めた制作範囲を検討できます。
Kizashiのホームページ制作・リニューアルでは、情報整理、ページ設計、スマートフォン対応、お問い合わせフォームの制作を扱っています。整理した取扱分野をどう紹介し、相談窓口へどう案内するかを考える際に、こうした制作サービスを活用できます。公開後の保守も相談できるため、事務所内で更新する作業と外部へ依頼したい作業を分けて検討してください。法律内容の確認は事務所の担当弁護士が行い、保守の対象作業は別途確認します。
事務所情報や相談窓口を整理してホームページ制作を進めたい方へ、Kizashiの制作サービスの範囲をご案内しています。まずはサービス内容を確認し、上のメモで決まっている項目と未定の項目を、制作の相談で話したい内容として整理してみてください。すべてを埋める必要はありません。





